私は自分でカスリンの二次創作を書くことはしばしばあるのですが、他人の書いたものは読まない……というより、読みたくないというのが素直な気持ちです。
というのも、カスリン作品におけるカスパルはやたら性欲旺盛なイメージが強いからです。
あくまで自分の観測範囲ではありますが、カスリン作品では「その気のないリンハルト対してカスパルがグイグイ性行為を迫る」というシチュエーションがしばしば見受けられます。
これは自分の中にある二人のイメージとは異なる描かれ方であるため、そうと認識してからはなるべく視界に入れないようにしていました。
自分の中では、カスパルはそもそも恋愛に対してあまり興味がないというイメージがあります(これに関しては「カスパルとリンハルトのセクシュアリティおよび、カスパル関係のペアエンドについての考察」でも語っています)
理由としては「女神の塔のイベントで自分がデートに誘われたことを理解していない」「ヒルダの夜のお誘いに気づかない」といった会話に加えて、「ベレスとのペアエンドですらカスパルは自分からプロポーズしない」などの点が挙げられます。
また、無双でもカスパルは「白銀の乙女」というアリアンロッドの異名に対して「なんで要塞なのに乙女なんだ?」と口にしており「乙女=処女の暗喩である」ということを理解していません。
バルタザールに「拳で決着がつかないなら金か女で勝負だ」とふっかけられた際に「女の勝負ってなんだよ」と首を傾げたりもしています(ついでに言うと金の勝負=賭博であることも理解していません)
訓練一辺倒だったせいなのか意外と箱入り息子なのかはわかりませんが、俗な話題にはとことん疎いイメージがあるのですよね。
いっぽうのリンハルトは恋愛ごとに対してかなり積極的なイメージがあります。しかも、愛情表現がすごく直球です。これはいろんなキャラとの支援会話でその様子がうかがえるかと思われます。
特に無双のシェズとの支援会話は、シェズを男性にしていたのもあってインパクトが強かった記憶があります。このリンハルト、積極的で思わせぶりですごく好きなんですよね。
これらのやりとりから自分の中には「恋愛ごとに消極的なカスパルと積極的なリンハルト」というイメージが形成されているため、カスリン二次創作において主流な二人の関係性は自分のイメージとずれがあるわけです。
逆に、リンカスの場合は「二次創作BLでは往々にして攻めが積極的であり、受けは消極的である」という「お約束」と自分の中の彼らのイメージが噛み合うのもあってか、こちらのほうが主流の描かれ方とイメージが近く座りがいいというのが現状です。
ではこの「カスパルは恋愛ごとには消極的である」という自分の認識は少数派なのか? ということを考えると「少なくとも男女カプにおいてはそうではない」というのが自分の出した結論です。
例えば、とあるカスドロの二次創作では「ドロテアがカスパルをラブホテルに誘うものの、カスパルはそこをラブホテルとは知らず部屋に置いてあったマリオカートに熱中し、期待しながら浴室から出てきたドロテアががっかりする」というシーンがありました。
また、とあるカスベル二次創作では「カスパルと手を繋ぎたいベルナデッタが『寒いですね~』とさりげなくアピールするものの、カスパルはそのアピールの真意に気づかず『寒いならこれを貸してやるよ』と自分の上着をベルナデッタに貸す」というシーンがあります。
更に、とあるカスヒル二次創作では「ヒルダとの初デートでカスパルがなぜかリンハルトを伴ってきた(※前日にリンハルトを家に泊めており、置いていくのが忍びなかったという理由による)ために、あとでヒルダがマリアンヌに愚痴る」というシーンがありました。
カスシャミのエッチな作品では、カスパル相手にどうやって性行為に持ち込むのか……と思ったら「シャミアが媚薬効果のある毒を受けてしまい、解毒の相手としてカスパルを指名する」という「やむをえない状況を利用する」というものでした。
これですよ、これ! カスパルはこういう感じですよ!
……と、それらの二次創作を読みながら私は大きく頷いていたわけです。
そして、カスリンでもこういうのが読みたい!と思った結果として書いたのが自分の書いたカスリンの小説やマンガであったりします。
こういうカスリンが読みたいんだよぉ!!
カスパルに抱かれたいあまりその類稀なる頭脳とヘヴリング家の財力を総動員して「セックスしないと出られない部屋」を自分で開発するリンハルトとかが見たい!!
もっと詳細な好みを言いますと「カスパルとセックスしたいものの無理に迫る気もないため仕方なく自慰をするリンハルト」とかとても好きですね。
とはいえ二人にはイチャイチャしていて欲しいので、最終的にはリンハルトの一方通行ではなく仲良くまぐわっていただきたいです。
というか、そういう話を書きました(※リンク先はR-18小説です)
こういうシチュエーションであればカスリンでもリンカスでも好みなので、とある方が書いていらした
「カスパルと交合したいもののカスパルにその気がなさそうなので旅先の宿でこっそり自慰をしていたら、そうとは知らずカスパルが抱きついてきてなおのこと困るリンハルト」
というリンカス小説のワンシーンがとてもツボでした(そのあとカスパルがそれをドロテアに訊ねて困らせていたのもほほえましかったです)
いやでもカスパルが純粋にかっこよく描かれているカスリン作品があったらそれはそれでとても読みたいです。